朝日レントゲン

Cases導入事例

3D X線CT装置「Alphard Series」導入事例

荒木矯正歯科様

荒木 元英先生

院長紹介

荒木 元英(あらき もとひで)先生

荒木矯正歯科院長(大阪府守口市)
日本矯正歯科学会 認定医・指導医
専門:矯正治療
日々の臨床治療のほか、遺伝子研究やX線撮影装置の研究・開発、学会発表にも勢力を注がれている

【荒木矯正歯科のウェブサイト】
https://araki-kyousei.com/

導入製品

アーム型X線CT診断装置Alphard series

全ての人への「やさしさ」をコンセプトに開発したAlphardシリーズ。ドクターの診療目的に合わせて、デンタルCTからセファロCTまでの多様な撮影モードを標準装備しています。FPD(フラットパネルディテクタ)と最先端の技術により、精度の高い3次元画像を得ることができ、より正確な治療の方向づけに役立ちます。

Alphard VEGA導入までの経緯

開業以前より「CT室」を構想する
平成17年6月 当社ショールームへ来社
平成18年6月 大阪府守口市に開業
平成18年6月 「Alphard VEGA」を導入

3D X線CT装置「Alphard VEGA」を、矯正治療に活用されている荒木先生に「導入に至った経緯から、実際の画像診断においての変化」を中心にお話を伺いました。

Alphard VEGAを導入されようと思われたきっかけは何だったのでしょうか?

私は大学での研究時代から、セファロ画像のデジタル化について長い間、研究をしていました。
それは、イメージングプレートの鮮明さについて、またはX線の照射線量の低減についてでした。
そして研究の間に、フラットパネル・ディテクタ(以下FPD)を知りました。研究を積み重ねていくうちに、直接方式や間接方式などのFPDを用いた撮影方法による直接セファロ撮影が、実現可能だということがわかってきました。
さらにRaysumという方法により、セファロ画像を合成できるようになりました。
そこで、非常に優れている先進技術であるFPDの性能を最大限に活かすために、CT機能と組み合わせられないかなと思い始めました。なぜなら、CTを1回撮影すれば、セファロ・パノラマ・CTの3種類の画像が取得できるからです。 そして、Alphard VEGAはまさに、その撮影を可能にした装置でした。
そんな夢のような機械が欲しかったんですよ。

導入時に気になった点などは、ありましたか?
装置の大きさについては、いろいろと考えられるところではあると思います。
当医院の場合は矯正歯科専門として開業しましたので、CTさえあればよいと思いましたね。
Alphard VEGAならば、パノラマ・セファロ・デンタルというすべての情報を取得できますから。
そう考えると、装置の大きさはそんなに気になりませんでした。

次に費用の面ですが、たとえばセファロ撮影装置のフルセットを、将来にわたり買い替えることなどを計算すると、ほぼ同程度ではないかと思います。当医院の場合、受付のシステム(MERSYS)とAlphard VEGAのサーバーシステム・撮影機がLANで接続されていますので、1人ですべてできてしまうんです。そういう意味では、入力の作業効率や人件費などを計算すると、逆にコストの削減になっているかも知れませんね。導入前に、このあたりはクリアになっていましたので安心でした。

受付のシステムから、サーバーシステムまでがLANで接続

導入後、画像診断において、従来の2次元レントゲンとはどのように変わりましたか?矯正歯科における3次元画像の有効性を中心に教えていただきたいと思います。

Cモード(セファロCT)撮影でのボリューム表示

■患者さんへのアプローチとして
矯正というのは、患者さん参加型の治療ですので、カウンセリング時に「よくわかりました」と、患者さんに理解していただかないといけないんですね。
今までは、セファロ画像とパノラマ画像を見てもらいながら、「ここがこうなっているので、ここをこうして…」と、こちらから一方的に説明するしかなかったんです。
さらに、模型を作成して同じような説明をするという具合です。やはり手間も時間もかかりましたね。
現在は、Alphard VEGAの3次元画像を患者さんに見てもらえば、もうひと目で理解していただけますので、説明がいらないくらいです。

導入後に変化した最大の点は、
この「患者さんへの説明が非常にスムーズに進む」ということです。
そして、Alphard VEGAで撮影された患者さんは、
当院で矯正治療をしようと決心していただけます。
私の考える「参加型の矯正治療」が、Alphard VEGAお導入によって
実現しているなと感じています。

■画像診断において
もう1つは、Alphard VEGAの撮影画像はすべてデジタルデータですので、自由に見たい角度や大きさで画像を見ることができます。このソフトウェア(付属ソフトウェアAsahiVision)の操作性により、3番犬歯の位置や未萌出歯などの出てくる方向が予測でき、歯槽骨の厚みなども、本当に手に取るようにわかります。

従来は前歯部しかわからなかったけれども、
今は臼歯部や頭部のほとんどがよく見えるということが大きな変化です。
特に顎関節などはその典型です。

Raysum画像

さらに3次元画像を構成する画像データより、Raysumを作成できますので、撮影は1回で終わります。患者さんにとって、撮影が1回というのは、負担をかけずにデータを取得できますから、治療に対して前向きな姿勢にもつながっていくのではないかと思います。

■そして、画像診断は、2次元的な評価から、3次元的な評価へ
治療前・治療後・保定前・保定後を3次元の画像で比較・評価することができます。また、3次元なので治療計画を立てるための設計が多年齢にわたりより正確にできるようになったということ。
つまり、CTを使った分析により、治療効率が良くなるということです。
そして、矯正治療の高年齢化の可能性が広がったのではないかと思っています。40代を超えた患者さんは、一般に骨が弱くなってきていますので、これまでは矯正治療への不安やリスクが大きかったのですが、Alphard VEGAの画像は、骨の状態がよく見えますので、どこまで治療が進められるかの予測が立てられます。

高年齢化社会が進行する時代において、健康への意識が高い層へ、
最先端のCTによる分析・診断により、最良の治療をしたいと思っています。

装置を見たとき、画像を見たときの患者さんの反応は、いかがでしたか?
画像に関しては、先ほども最大の変化ということでお話しましたが、、忘れられないのが、患者さんがAlphard VEGAの装置をご覧になったときに言われた言葉ですね。

「歯医者さんにもCTが入る時代になったんですね」と。

それでは最後に、先生の今後の展望を教えてください。

まず第一に、患者さんと共に一生懸命、矯正治療をしていきたいということです。やはり学生時代から鍛錬をしてきた矯正医として、良い仕事をしたいと思っています。
そして、将来的な展望になるとは思いますが、Alphard VEGAを導入したことによって、高効率的な矯正治療による治療期間の短縮と、より詳しい画像診断の向上による新しい治療層(高年齢化)の開拓をしていきたいと思います。このことは新しい矯正治療法の確立を意味しています。矯正は歴史上、2次元画像により分析された様々な症例のデータが多いのです。Alphard VEGAによってさらに3次元データがプラスされたわけですから、非常に良い結果が生まれてくるという確信があります。
また今後Alphard VEGAに対応した分析ソフトウェアなどの開発がユーザーグループなどによって開発が進めばという想いをいだいています。

本日は、貴重なお話をどうもありがとうございました。


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