開発の歴史

世界と日本のX線・レントゲン機器開発ヒストリー

歯科用X線撮影装置のメーカーとして設立

朝日レントゲンは、1956年に兵庫県尼崎市で設立されました。当時はまだめずらしかった歯科用X線撮影装置の製造を開始し、翌年には( 株) 島津製作所と歯科用X 線撮影装置の販売提携を開始しました。1964年には現在の京都市南区の久世工業団地へ本社を移転しました。

1956年(昭和31年)保険適用で一気に普及した当社最初期の歯科用X線撮影装置 A-DAS型 / A-DBS型 1958年に歯科用レントゲンが保険適用されたことで、歯科用X線(デンタル)撮影装置が一気に普及しました。同時期の他社製品がゼンマイ式であったのに対して、当社のA-DBS型は電子管タイマーを使用した、当時としては先進的な装置でした。

パノラマ装置の登場

1960年、当時の日本大学の安藤教授からの依頼で、フィルム1枚で顎全体を写す装置の開発を開始しました。1966年の第1回日本デンタルショーには独自開発した「パントモグラフィー装置」を出展しています。この装置は製品化には至りませんでしたが、それが国内初のパノラマX線撮影装置の開発につながりました。一度に顎全体を写すことのできるパノラマX線撮影装置は、歯科診断の質を飛躍的に向上させました。

1969年(昭和44年)日本初の歯科用パノラマX 線撮影装置 Panoramax AX-3 国内で初めて発売されたパノラマX 線撮影装置です。第10回 日本歯科放射線学会で学術発表され、第2回 日本デンタルショーで製品展示を行ったことで、大きな反響を呼びました。今でも現役で使用されている施設があるほどの堅牢性を誇っています。

1973年(昭和48年)日本初のパノラマ・セファロX 線撮影一体装置 Panoramax AX-4CM 国内初の1台でパノラマ・セファロX 線撮影が可能になった装置です。1973年の第3回日本デンタルショーにて初展示を行いました。その高い品質により、一般歯科医院及び矯正歯科医院へのパノラマ・セファロX 線撮影装置の普及に貢献しました。

1976年(昭和51年)世界初の自動露出パノラマX線撮影装置 Panoramax AUTO I/AUTO II パノラマX 線撮影に光電子増倍管(ホトマル)を導入した、AX-4の後継機種です。X線出力を被写体の状況に応じて全自動で調整する、世界初の自動露出パノラマX 線撮影を可能としました。

1983年(昭和58年)グッドデザイン中小企業庁長官賞受賞の多軌道パノラマX線撮影装置 AUTO1000/AUTO2000 高周波インバーター直流X線発生による鮮明な画像、最適なパノラマ軌道をコンピュータ制御する技術等、当時の日本初の機能を搭載した装置です。 通商産業省(現経済産業省) 1987グッドデザイン商品選定(現グッドデザイン賞)、通商産業省(現経済産業省) 1987グッドデザイン中小企業庁長官賞 受賞

1988年(昭和63年)コントローラ一体型のパノラマX線撮影装置 AUTOIII/AUTOIIICM コントローラが一体となったパノラマX 線撮影装置です。『容易な操作で高画質が得られる』と市場に広く受け入れられ、20年間にわたり販売されていたロングセラー商品です。 通商産業省(現経済産業省) 1988グッドデザイン商品選定(現グッドデザイン賞)

数々の独自装置の開発

朝日レントゲンは「X-RAY のパイオニア」として、セファロX 線撮影専用装置・顎関節X 線撮影専用装置・ポータブルX 線撮影装置・任意軌道断層X線撮影装置・臥位X 線撮影装置など多くの独自製品を開発・発売してきました。これらの装置の多様さは、この時代、歯科診断が多様化・細分化したことの表れでもあります。

1968年(昭和43年)時代を先取りしたポータブル型X線撮影装置 MINIREX 現在では当たり前となったポータブルタイプのデンタルX 線撮影装置ですが、当時は時代を先取りした発想の画期的な製品でした。歯科用としてだけでなく、工業用としても使用されました。

1973年(昭和48年)移動用車載パノラマX線撮影装置 Panoramax AX-4をベースにした移動用車載パノラマX線撮影装置です。
				僻地および無医村地域などでの歯科治療に活躍しました。

1977年(昭和52年)国内初の椅子付デンタルX 線撮影装置 Satellite-60s それまではデンタルX 線撮影をチェアサイドで行うことが一般的でしたが、この時期からX線管理区域での撮影が義務付けられました。X線室内での撮影に対応した椅子を取付けたデンタルX 線撮影装置です。当社が先駆けて販売したこのタイプが、デンタルX 線撮影装置の主流になっていきました。

1978年(昭和53年)セファロX 線撮影専用装置 Crux CX-90 矯正歯科では、より高画質なセファロ画像を求める声が多く、そのニーズに応えるために開発されたセファロX 線撮影専用の装置です。この後も様々なモデルが展開され、矯正歯科専門医を中心にロングセラーとなりました。

1981年(昭和56年)チタン鋳造も可能な歯科用高周波連続加圧鋳造機 ARVATRON PC-105 遠心鋳造技術よりも優れた吸引加圧技術を採用した、高周波加熱のもとで加圧吸引を行うユニークな鋳造機です。ルツボと鋳型が一体構造のスプール一本で鋳造できる装置で、チタンも鋳造も可能でした。

1986年(昭和61年)顎関節X線撮影専用装置 TX-90 歯科矯正や噛合の研究をしている大学病院などでの顎関節症診断のニーズの高まりから生まれた、顎関節X 線撮影専用の装置です。X線入射角を任意に変えることができ、関節窩、関節結節、下顎頭等を鮮明に撮影できる装置です。

1989年(平成元年)閉口~開口位の分割撮影が可能な顎関節撮影台 TM-70 シュラー氏法に代表される側斜位経頭蓋撮影法による顎関節撮影が可能な撮影台です。1983年に発売された前身のモデルTM-1,TM-2を改良し、X 線入射角の可変ができ、パノラマカセッテを使用できるようになっていました。

1990年(平成2年)歯科集団検診用の車載X線撮影装置 PTM2001 連続撮影・車載が可能な歯科集団検診用のI.I.間接撮影法によるパノラマ撮影装置です。車載パノラマX線撮影装置の前身モデルとしては、AX-4がベースの1971年に発売された移動用車載パノラマX線撮影装置がありました。

1991年(平成3年)2方向セファロX線撮影装置 CX-150 患者さんの位置付けを変えることなく、側面・正面の2方向から撮影できるセファロX線撮影専用装置です。医科用の大容量X線管球を使用した短時間撮影により、ブレの無い高精細な画像を得ることができます。

1992年(平成4年)グッドデザイン賞受賞、ロングセラーのポータブルX 線撮影装置 Handy Ray KX-60 在宅診療、被災地や事故現場での個体認識に使用されました。その評判は歯科以外にも広がり、獣医科での動物撮影にも用いられました。2015年の販売終了まで、23年間にわたり販売されていたロングセラー商品です。 通商産業省(現経済産業省) 1992グッドデザイン商品選定(現グッドデザイン賞) 公益社団法人京都デザイン協会 1994京都デザイン優品認定

1992年(平成4年)同時2方向TMJ透視・ビデオ撮影装置 2方向TMJシネ撮影装置 大阪大学・朝日大学と共同で開発した、下顎頭運動の画像診断装置です。
				X線ビデオで下顎頭運動に伴う顎関節部の透視画像を得て、
				同一顎位における左右顎関節を対比観察することが可能です。

1994年(平成6年)断層撮影が可能なパノラマX線撮影装置 AZ3000 インプラント治療や顎関節症の治療など、新しい治療法に対応すべく開発された、任意軌道断層X 線撮影が可能な装置です。公益財団法人京都産業技術振興財団(現 京都産業21) 平成6年度 京都中小企業優秀技術賞受賞 通商産業省(現経済産業省) 1995グッドデザイン商品選定(現グッドデザイン賞) 公益社団法人京都デザイン協会1995京都デザイン優品認定

1995年(平成7年)3管球式顎関節X線撮影装置 TXV 1回の撮影で、左右顎関節の側面像をシュラー法で、正面像をグラントランティング法で撮影することができる装置です。グラントランティング法の撮影時には、予めTVモニターによって撮影部位に対する最適なX線入射角等を確認した上で、セッティングできます。

1996年(平成8年)臥位パノラマX 線撮影装置 LPX7007 立位・座位でのパノラマX 線撮影が困難な患者さん・障がいがある方でも、仰向けに寝た状態でパノラマX 線撮影が可能な装置です。法医学の分野、事故現場でも使用されました。

1997年(平成9年)2.5秒の超高速パノラマX線撮影装置 TSP7000 従来の装置では撮影が困難であった、小児・障がいがある方などでもパノラマX 線撮影できるように、撮影時間を2.5秒(当社比1/7)まで高速化したパノラマX線撮影装置です。

1997年(平成9年)顎関節の断層撮影が可能な顎関節X線撮影装置 TM8000SP セファロ(正面・側面)・体軸・顎関節・顎関節断層を撮影することができる装置です。体軸写真のトレースデータを基に、任意の顎関節断層(横断・縦断)撮影が可能です。顎関節断層撮影では、キャビネサイズ多層カセッテ・パノラマカセッテを使用できます。

デジタル時代の到来

フィルム現像に代わるデジタル画像システムが登場しました。現像作業が不要、撮影した画像が瞬時にチェアサイドのPCモニタに表示される、患者さんにもわかりやすい大きな画像表示など、デジタル画像システムは、スタッフの方はもちろん、患者さんにとっても大きなメリットをもたらしました。

1998年(平成10年)フィルムタイプの集大成&当社初のデジタル対応パノラマX線撮影装置 AUTO IIIN 従来のAUTOIIIの後継機種であると同時に、高周波インバータ方式のX線発生器を採用した、フィルム時代の集大成的装置です。CCD方式によるデジタル撮影対応タイプAUTOIIINDもラインナップしています。

1999年(平成11年)デジタル化の先鋒となった当社初の歯科用画像管理ソフト ADR 当社初の歯科用画像管理ソフト「ADR=Asahi Digital Radiography(アサヒデジタル画像処理システム)」です。ADRはその後、ADR PLUS,ADR NEOへとバージョンアップしていきます。その後継ソフトがグッドデザイン賞を受賞するなど、優れた操作性と分かりやすい画面デザインが高く評価されました。 公益財団法人日本デザイン振興会2004グッドデザイン賞受賞(ADR PLUS)

2001年(平成13年)当社初のデジタルパノラマX 線撮影装置 NPX8800 機能と操作性を融合したスリムなデザインのデジタル撮影専用のパノラマX線撮影装置です。画像管理ソフトADRと組み合せて院内LANを構築することで、電子カルテとのリンクや、患者さんとのインフォームド・コンセントの向上を格段に図りました。

2003年(平成15年)「画像の朝日」の声をさらに高めたデジタルパノラマ・セファロX 線撮影装置 Hyper-X CM 当社初のデジタルパノラマ・セファロX 線撮影装置です。市場のユーザーから高い画像評価を得たことで、「画像の朝日」という声がさらに高まりました。

3次元・新しい診断へ

日本での歯科用CTの研究は1992年頃に始まりました。当社は当時の大阪大学・徳岡Dr.との共同研究により歯科用CT 装置「PSR9000N」を1998年に開発し、2004年に発売しました。それまでの2次元の画像に比べて圧倒的に情報量の多いCT画像データは、インプラント治療の必需品となりました。

1998/2004年(平成10/16年)当社初の歯科用CT診断装置 PSR9000N 当時の大阪大学・徳岡Dr.と共同で開発を行い、1998年に完成、2004年に薬事法認証取得した、I.I.(X線イメージインテンシファイア)を使用した当社初のCT診断装置です。FPD(フラットパネルディテクタ)を使用した後継機種Alphardは、2006年から現在まで販売されています。

2007年(平成19年)当社初の1台でパノラマ・セファロ・CT撮影が可能なオール・イン・ワン・診断装置 Alioth - AZ3000CT 当社初のパノラマ型のX線CT診断装置です。既存のX線撮影室に設置ができるコンパクトサイズながらも、1台でパノラマ・セファロ・CT撮影が可能なオール・イン・ワン・診断装置です。

2008年(平成20年)1台でパノラマ・セファロ・CT撮影が可能なオール・イン・ワン・診断装置 AUGE Series 1台でパノラマ・セファロ・CT撮影が可能なオール・イン・ワン・モデルとして、Aliothの次に発売されたCT診断装置です。センサやセファロ撮影の有無により8モデルをラインナップしていました。 公益社団法人発明協会平成26年度近畿地方発明表彰中小企業庁長官奨励賞受賞 公益財団法人京都産業21平成24年度中小企業技術大賞受賞

2009年(平成21年)2D・3Dの画像を管理・表示できる統合型ソフトウェア NEOPREMIUM 2D,3D画像の管理・表示を1つのソフトウェアで行うことを可能にしたソフトです。優れた操作性と分かりやすい画面デザイン・アイコン表示が高く評価されました。 公益財団法人日本デザイン振興会2010グッドデザイン賞受賞(NEOPREMIUM)

2010年(平成22年)すべてのフローをデジタル化したデンタルX線撮影装置 ALULA 撮影条件設定から画像表示まで、デジタルフローを構成する装置として開発した、デンタルX線撮影装置です。焦点0.4mmのX線管球と独自に開発したインバータX線発生器の採用により、高精細な画質と被ばく線量低減を実現しました。 一般的名称:アナログ式口外汎用歯科X線診断装置認証番号:21400BZZ00496000

2012年(平成24年)さらに進化したCT診断装置 AUGE SOLIO CT撮影エリアの上下移動が可能な「CTポジションシステム」を搭載した、AUGEに続くCT診断装置です。AUGEよりもCTのFOVが広がり、歯科診断に必要な画像を1台でカバーしています。 一般的名称:アーム型X線CT診断装置認証番号:224AABZX00077000

2013年(平成25年)CTと一般撮影が可能な耳鼻科用CT診断装置 AUGE SOLIO CBCT fo ENT 歯科用CT装置「AUGE SOLIO」をベースに、耳鼻科専用に発売したCT診断装置です。1台で耳鼻科の画像診断に必要な、CT撮影と一般撮影が可能なツー・イン・ワン・モデルです。 一般的名称:アーム型X線CT診断装置認証番号:224AABZX00077000

2013年(平成25年)世界初の骨粗鬆症判読支援システム NEOOSTEO 田口明教授らの研究をベースに広島大学・松本歯科大学と協同研究を行い世界で初めて製品化した、歯科診断のために撮影するデジタルパノラマ画像から、歯科医師による骨粗鬆症のスクリーニング判読のための画像処理結果を出力するプログラムです。 公益財団法人りそな中小企業振興財団・日刊工業新聞社共催第27回中小企業優秀新技術・新製品賞ソフトウェア部門 奨励賞受賞

2014年(平成26年)デンタル撮影時の感染症予防に有効な、非接触コントローラー ALULA-TH 徳島大学との共同研究を元に、撮影条件設定時の汚染防止を目的として、SWなどを非接触で操作できるデンタルX線装置用コントローラを開発しました。従来のように操作用SWに触れることなく指をかざすだけで、デンタルX線撮影に必要な撮影条件の設定を行うことができます。

世界と日本のX線・レントゲン機器開発ヒストリ

X線の発見から、当社設立期頃までの国内外の歯科用X線・レントゲンについての歴史をご紹介します。

世界

1895 レントゲンがX線を発見
1895
(1896)
ドイツの歯科医師Otto Walkhoffが初めて歯のX線撮影を行う。
1896 アメリカの医師W.J.MortonがX線装置について発表。この時のX線写真が世界初の口内法写真とも言われている。
1896 歯科医師C.Edmund.Kellsがホルダーを用いてフイルムを歯と平行に近づけることが必須であると述べ、歯根を撮影することに成功したとの報告がある。W.J.Mortonの撮影とどちらが先であったかは不明。
1931 Broadbent、Hofrahtによって頭部X線規格写真撮影装置が発表された。
1944 Y.V.Paateroがパナグラフィを発表した。
1949 Y.V.Paateroがパントモグラフィを発表した。
1966 A.G.Richardsがオープンエンドコーン・リチャード方式を発案し、今日の口内法が確立された。

日本

1897年
(明治30年)
歯科医学叢談に掲載された湖柳生訳(野口英世のペンネーム)の「るよんどげんX光線ヲ応用シテ欠生歯ヲ発見セシ一例」によって日本に初めて歯科レントゲンが紹介された。
1909年
(明治42年)
「歯科診断上二於けるX線、価値二ツイテ」と題して歯科医による初の臨床報告がX線写真を供覧して当時東大歯科に勤務中の遠藤至六郎により紹介された。
1912年
(大正元年)
歯科学報に「歯科二於ケルレントゲン学ニ就キテ」と題してX線撮影技術、診断法について藤浪剛一によってなされた。これがレントゲン専門家として初の歯科についての詳細な発表となった。
1914年
(大正3年)
東京歯科医学専門学校(現在の東京歯科大学)にドイツのアぺックス社から初めて歯科用X線装置が導入され、初めて歯科用レントゲン室が新設された。
1922年
(大正11年)
クーリッジ管を用いた国産の歯科用X線装置ホクト号が島津製作所から発売された。
1959年
(昭和34年)
日本大学の西連寺永康等による日本初、世界で4番目のパントモグラフィの臨床応用が可能となった。その後国産パノラマ1号が完成した。
1960年
(昭和35年)
日本歯科放射線学会が設立され、世界で初めての専門誌「歯科放射線」が発刊された。
1974年
(昭和49年)
西連寺永康のパントモグラフの完成から15年後に朝日レントゲン工業と肥田電機工業による国産初のオルソパントモグラフィが販売された。

参考文献 田中守:歯科領域で働く診療放射線技師の歴史

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